「せっかく私立中学に入ったのに、うちの子英語の授業についていけていないみたい」
「このまま英語が苦手科目のままだったら、どうしよう」と、不安や焦りを感じていませんか?
実は、同じように悩んでいる保護者はとても多いのです。
まずは、保護者の方が英語の授業についていけない原因をきちんと理解する必要があります。その上で、子どもと、分からない単元の学び直しや授業の予復習を徹底して行うようにしましょう。
授業についていけない主な原因として、以下の3点が挙げられます。
| ・私立中専用の教科書のレベルが高くて難しい ・公立中と比べ授業時間数が多く進度も速い ・小学校と中学校の英語の授業にギャップがある |
私立中学でよく使われる「ニュートレジャー(New Treasure)」などの教科書では、高校レベルの内容を扱います。
難しいレベルの授業をスピード感を持って進めるため、理解が追いつかず「授業についていけない」という状況に陥りがちです。
しかし、同じ悩みを抱えている私立中学の生徒は決して少なくありません。保護者が適切なサポートを行い、子どもが正しい方法で着実に勉強していくことで、必ず英語の成績が上がっていくでしょう。
本記事では、以下について詳しくお伝えしていきます。
| この記事でわかること |
| ・私立中学で英語についていけない原因 ・私立中学の英語の授業についていけない状況を打破する対処法 ・私立中学の英語についていけるようにするために保護者が心がけるべきポイント |
「もう英語は無理かも」と感じている今こそ、立て直しの最初の一歩を踏み出すタイミングです。
本記事を参考にして、英語を得意科目へ変えていく第一歩を踏み出しましょう。
記事監修者
桐山 ヒロキ
経歴
青山学院大学経済学部を卒業後、英検®対策塾「英検®︎セミナー」へ入社。
人気講師として500人を英検®合格へ導いた後、2005年に英検®︎アカデミーを設立。 設立18年、累計10,000人超の英検®合格をサポート。合格率は93%をほこる。
1.私立中学で英語についていけない3つの原因

「どうして英語の授業についていけないのか?」と思うかもしれませんが、それには私立中学特有の事情を含め、大きく分けて以下の原因があります。
・私立中学専用の教科書のレベルが高くて難しいから
・公立中学と比べ授業時間数が多く進度も速いから
・小学校と中学校の英語の授業にギャップがあるから
以下で、詳しく解説していきます。
1-1.私立中学専用の教科書のレベルが高くて難しいから
多くの私立中学校で使われている私立専用の教科書が、レベルが高くて難しいため、英語の授業についていけない原因となっています。
私立中学専用教材は、公立中学で使われる文科省検定教科書とは構成も難易度もまったく異なるのです。
以下は、私立中学でよく使われている「ニュートレジャー(New Treasure)」と検定教科書を単語数や文法項目などの観点から比較した表です。
| 中学3年間で学ぶ単語数と文法項目 | ||
| 単語数 | 文法項目 | |
| 検定教科書(公立中学) | 約1,800語 | 中3レベルまで |
| ニュートレジャー(私立中学) | 約3,100語 | 高校レベルまで |
上記のように、公立中学で使用する「ニューホライズン(New Horizon)」や「ニュークラウン(New Crown)」と私立中学で使用する「ニュートレジャー(New Treasure)」では、学ぶ単語数や文法項目にかなりの差があります。
「ニュートレジャー(New Treasure)」は中学3年間で約3,100語を学び、文法項目は高校レベルにまで踏み込みます。マスターすることで、大学入試でも問われる英文法の力が身につくのが特徴です。
そのため、英語初学者の生徒にとっては、「授業が難しい」と感じるのも無理はありません。
1-2.公立中学と比べ授業時間数が多く進度も速いから
次に、私立中学で英語についていけない原因としては、公立中学と比べて授業時間数が多く進度が速いことが挙げられます。
以下は、公立中学と私立中学の週あたりと年間の英語授業時間数の目安です。
| 週あたりの英語授業時間数 | 年間授業時間(目安) | |
| 公立中学 | 週4時間 | 140時間 |
| 私立中学 | 週5〜7時間 | 175〜245時間 |
文部科学省が発表した「授業時数特例校制度について」の資料によると、公立中学の英語標準授業時数は1学年あたり年間140時間と記載されています。これは、週4時間程度に当たります。
しかし、私立中学では上記のように週5〜7時間を設定しているケースが多く、授業量は公立中学の1.3〜1.8倍です。
この結果、私立中学では公立中学よりも多くの文法事項を学んでいくことになります。
授業スピードが速いため、十分に理解する前に次の単元に進んでしまったり、復習が追いつかなかったりするリスクがあるのです。
特に、オールイングリッシュ授業を取り入れている私立中学では、授業中に日本語で確認する機会がないため、あいまいな理解のまま進んでしまう危険性があります。
「公立中学と比べて授業時間数が多いからゆっくり授業をしてくれる」というわけではないことを理解しておきましょう。
1-3.小学校と中学校の英語の授業にギャップがあるから
3つ目の原因としては、小学校と中学校の英語の授業にギャップがあるからということが考えられます。
以下は、小学校と中学校の英語授業で学ぶ主な内容と特徴です。
| 主な学習内容 | 特徴 | |
| 小学校 | ゲーム、歌、会話など | 「聞く」「話す」が中心 |
| 中学校 | 文法事項の理解や単語の暗記など | 知識習得が中心 |
小学校の授業では、書いたり文法を理解したりする学習はあまり行われていません。
しかし中学校に入ると、突然文法や単語の暗記といった知識中心の英語学習に切り替わります。
しかも、小学校で習うとされる700語程度の英単語は既習扱いとされ、知っている前提で授業が進みます。
つまり、小学校では「なんとなく聞いて分かった単語」が、「書ける単語」に変換できていない状態のまま中学校での授業が始まるのです。
結果として、「中1の前半から授業が難しい」という感覚を持つ生徒が多くなってしまいます。
| ◎幼少期から英語学習を継続してきた生徒と比較して「できない」とギャップを感じることも 私立中学に限った話ではありませんが、帰国生や英検3級、2級取得者など、入学時点で一定の英語力を持っている生徒も珍しくありません。 こうした生徒は中学校スタート時には英語の授業にあまり苦労しないため、英語初心者の生徒は「スタートから置いていかれる」感覚が強くなりがちです。 |
2.私立中学の英語の授業についていけない状況を打破する3つの対処法

それでは、お子様が実際に私立中学の英語の授業についていくためには、具体的に何をしたら良いのでしょうか?
以下のように個人でできる対処法と、外部に依頼する対処法の2通りが考えられます。
・分からない単元に戻って学び直す
・予習・授業・復習に徹底して取り組む
・必要に応じて塾や家庭教師など外部サポートを利用する
以下で、ひとつずつ解説していきます。
2-1.分からない単元に戻って学び直す
私立中学の英語授業についていけない場合、分からない単元に戻ってやり直しましょう。
「そんなことをして意味があるの?」と思うかもしれませんが、英語は積み上げ型の科目です。
英語が本当に苦手な場合、たとえば中1の初めに学ぶbe動詞と一般動詞の使い分けが恐らく定着していないこともあります。
そのまま学習を進めると、”He is studying English.”などの現在進行形が出てきた時に、どのような文脈でbe動詞と一般動詞を一緒に使うのか理解があやふやになり、混乱してしまうでしょう。
土台となる基本文法と基本単語を身につけることが英語の理解を促す上で何よりも重要なのです。
「中1英語をひとつひとつわかりやすく(学研)」などの基礎参考書を手に入れて、分からない単元に戻り、文法を基礎から理解しなおしていきましょう。
「文法の理解」→「問題演習」→「答え合わせ」のプロセスで実施すると確かな英語力として定着します。間違えた箇所は、解説を読み、必要であればテキストに戻って復習しましょう。
テキストの中に知らない単語があった場合は、合わせて覚えるようにしてください。
私立中学では授業進度が速いため、基礎が定着する前に次に進みがちですが、土台が不安定なまま難しい文法や単語を扱っても、理解は積み重なりません。
分からない箇所に戻り基礎英語を固めて、確実に理解できる単元を増やしていきましょう。
2-2.予習・授業・復習を徹底して取り組む
次の対処法としては、学校の授業や予習復習を徹底的に取り組むことが挙げられます。
授業を漫然と受けるだけでは習った内容が定着しづらいため、「予習→授業→復習の3ステップ」を意識するようにしてください。
具体的には、以下のステップに沿って学習します。
| 取り組む内容 | ポイント | |
| 予習 | ・教科書の本文音声を聞きながら本文を目で追う・不明な単語や文法をチェックする | ・完璧にやろうとしない・不明点をハッキリさせればOK |
| 授業 | ・予習で分からなかった部分を意識して先生の話を聞く・理解できているものも含め積極的に発言する | ・疑問点は必ず先生に質問する・先生の話で重要な箇所をノートにメモする |
| 復習 | 単語暗記や本文音読、問題演習を行う | ・原則その日中に行う(どうしてもできない場合は、本文の音読だけでも行う) |
予習では、教科書の本文を読み進めながら、分からない単語や文法に印をつけておきましょう。完璧に理解しようとする必要はありません。どこが分からないかをハッキリさせてください。
授業では、予習で分からなかった部分を意識して聞くことがポイントです。疑問点をそのままにせず、授業中に解決できるよう集中すると、理解が深まります。
そして最も重要なのが復習です。その日のうちに習った単語を覚え、本文を音読し、文法を理解したら学校指定の問題集を解いてください。
どうしてもできない場合は、本文の音読だけでも行いましょう。理解ができているうちに音読をすることで確かな英語力の定着につながるからです。
また、試験前には以下のような学習を行うと、より効果的です。
| ◎テスト前 ・教科書の重要例文や本文を和訳、英訳する ・習った文法項目を友人や家族に説明して理解を深める |
これらは、どの教科書を使っていても通用する学習法です。予習⇒授業⇒復習の3ステップを習慣づけていってください。
なお、「ニュートレジャー(New Treasure)」に特化した学習法については「テストの点が爆伸び!ニュートレジャー最強対策法を英語専門塾が伝授」の記事をご覧ください。
2-3.必要に応じて塾や家庭教師など外部サポートを利用する
3つ目の対処法として、家庭ではフォローしきれないと感じた場合は、塾や家庭教師などの外部サポートを早めに利用することをオススメします。
英語は積み重ねの科目であるため、理解できない単元が積み重なると、限られた時間の中で自力で追いつくのは困難だからです。
英語の苦手部分に特化した外部サポートを受けることで、成績が上昇する可能性は十分にあります。
塾や家庭教師サービス会社で行われている無料相談などを利用して、外部サポートを受けることも検討していきましょう。なお、選ぶ際は下記に注意して選んでください。
| ◎私立中学対策に特化した個別指導や家庭教師を選ぶ 外部サポートを選ぶ際には、私立中学専門の塾や「ニュートレジャー(New Treasure)」など私立用の教科書に対応した家庭教師を選びましょう。 一般的な高校受験用の塾では進度や内容が合わないため、学習効率が下がってしまいます。 ◎塾は個別指導形式が望ましい 私立中学と言っても学校によって進度はさまざまです。学校の授業内容に合わせて指導してもらえるよう、個別指導形式の塾が望ましいです。 もし、集団指導を選ぶ場合は、個別での質問対応が充実しているかを確認しておきましょう。 |
プロに見てもらい、「苦手分野はどこなのか」「どの項目を集中的に行えば良いか」を明確にしてもらい、効率的に遅れを取り戻しましょう。
3.私立中学の英語についていけるようにするために保護者が心がけるべき3つのポイント

英語の授業についていけず、成績が良くない子どもを見ていると、保護者としては焦ったりもどかしい気持ちになってしまいがちです。
しかし、大切なことは、近くにいる親御様自身が我が子の状況を理解し、適切にサポートすることです。
子どもが英語の授業についていけるようになり、成績アップを実現させるために、親として以下のポイントを心がけておきましょう。
・親世代より授業進度が速く難易度も高いことを理解する
・学習を強要せず子どもの学習スタイルに合わせてサポートする
・否定せずに前向きな声かけをする
以下で、ひとつずつ解説していきます。
3-1.親世代より授業進度が速く難易度も高いことを理解する
まず初めに、私立中学の英語授業は親世代より進度が速く、難易度も高いことを理解してください。
保護者がこの事実を理解しておくことで、子どもが英語の授業についていけていないという状況を理解しやすくなります。
以下が、公立中学(親世代と現在)、私立中学の現在の英語授業時間数と中学校で学ぶ単語数について比較した表です。
| 授業時間数 | 単語数 | |
| 公立中学(親世代)※30代後半〜50代 | 週3時間 | 約900〜1,000語 |
| 公立中学(現在) | 週4時間 | 約1,800語 |
| 私立中学(現在) | 週5〜7時間 | 約3,100語 |
親世代の頃は、公立中学の英語の授業は週3時間しかありませんでした。習得語彙数も、中学3年間で約900〜1,000語しかなかったのです。
しかし現在の私立中学では、週5〜7時間の英語授業を行う学校が多く、単語数は親世代の3倍以上の習得が求められます。
私立中学で使用する「ニュートレジャー(New Treasure)」などの教科書では、中学段階で英検®︎準2級(高校中級程度)レベルの語彙や文法を扱います。
親世代が高校で学んでいた内容を、中学生で身につけることが要求されるのです。
このような変化を理解していないと、保護者は「子どもの努力が足りないだけでは?」と誤解してしまいがちです。
授業についていけないのは、決して特別なことではなく、むしろ多くの生徒が通る過程だと受け止めましょう。
3-2.学習を強要せず子どもの学習スタイルに合わせてサポートする
次に、保護者が心がけるべきポイントとして、英語学習を強要せず子どもの学習スタイルに合わせてサポートすることが挙げられます。
中学生になると部活動や学校行事が活発になったり、他科目の勉強も増えてくるため、いつでも英語の勉強を最優先とはいかないこともあるでしょう。
そして、一般的に思春期の中学生は、親の言葉に敏感です。
命令口調や過干渉は逆効果になってしまうため、あくまでも子どもを主体としてサポートすることを心がけましょう。
具体的には、子どもの要望に応じて、以下のようなサポートをするのがオススメです。
| ・勉強スケジュールを一緒に立てる ・試験範囲のワークをコピーして学習しやすいようにする ・単語の暗記チェックを手伝う |
}
重要なのは、親が主体となって子どもの勉強を管理するのではなく、子どもと相談しながら勉強しやすい環境を整えることです。
子どものやる気を引き出し、学習習慣を安定させるために、親は強要するのではなく、あくまでも伴走を心がけていきましょう。
3-3.否定せずに前向きな声かけをする
最後に、保護者は決して子どもを否定せずに前向きな声かけをするように心がけてください。
「また間違えたの?」「こんなことも分からないの?」など否定的な声かけをすると、英語学習へのモチベーションも下がってしまいます。
英語は成果が出るまでに時間がかかる科目です。特に英語についていけないと感じている場合、すぐには成績アップは難しいかもしれません。
たとえすぐに成績が上がらなくても、「この部分は前より理解できているね」など小さな成果を認めて前向きな言葉をかけることが重要です。
子どもも、親から承認されているという気持ちを持つことで、学習意欲が継続しやすくなります。
努力の過程を褒めることを意識して、できるようになったことを認め、励ますことを意識していきましょう。
4.一刻も早くついていけない状況を脱し成績アップに繋げたいなら英検アカデミーへ

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英語の授業についていけない状況を一刻でも早く脱したい場合は、私立中高一貫校生に特化したコースがある『英検アカデミー』にお越しください。
英検アカデミーは、個別指導で学校ごとの教科書や授業内容、進度に完全対応した指導を行うことで、成績アップを実現させます。
以下が、英検アカデミーの5つの特徴です。
| 1. 私立中高一貫校の教材「ニュートレジャー(New Treasure)」や「プログレス21(Progress 21)」に対応した独自テキストを使用している 2. 学校別の指導方法を熟知したプロ講師が授業を担当している 3. 学校の授業範囲に絞った学習で効率よく成果を出す 4. つまずきの原因を分析し、弱点をピンポイントで強化する 5. 家庭学習の進め方まで丁寧に指導する |
プロ講師の的確な指導のもと、授業内容に関連した演習を重ねることで、テストでの得点力がアップします。
また、「塾以外で何の勉強をすれば良いか分からない」ということもなくなるため、自立した学習習慣が定着します。
英語が「ついていけない科目」から「得意科目」へと変化していく仕組みが整っているのです。
実際に、英検アカデミーに通っている私立中高一貫校生の97%が英検アカデミーの指導に満足しているという結果が出ています。
| 英検アカデミーに通い「英語が苦手から得意科目」へ |
| 海城中学校に通う中学3年生の生徒さんは、英語に苦手意識があり嫌いな科目でした。 基礎から学習を始めることに対しても、「本当に英語力がつくのか」不安を抱えていましたが、応用問題に進む中で、基礎を押さえることの重要性を実感。 学校の定期テストで平均点が取れ、努力が報われた、やる気が増したと答えています。 |
私立中学の英語でつまずいており、突破口を探しているのであれば、成績アップを実現できる英検アカデミーにぜひお問い合わせください。
5.まとめ
本記事では、私立中学の英語についていけない原因や対処法について解説してきました。
私立中学で英語についていけない原因としては、以下が挙げられます。
| ・私立中学専用の教科書のレベルが高くて難しいから ・公立中学と比べ授業時間数が多く進度も速いから ・小学校と中学校の英語の授業にギャップがあるから |
英語の授業についていくための対処法としては、以下のように個人でできるものと、外部に依頼するものがあります。
| ・分からない単元に戻って学び直す・予習・授業・復習に徹底して取り組む・必要に応じて塾や家庭教師など外部サポートを利用する |
焦らず、基礎から学び直すことで、確実に英語力をアップさせることができます。
しかし独学では難しいと感じる場合は、中高一貫校向けの個別指導塾などの利用を考えたほうが良いでしょう。
本記事が、私立中学で英語の成績を上げていきたいと考えている方の参考になれば幸いです。
よくある質問
記事監修者
桐山 ヒロキ
経歴
青山学院大学経済学部を卒業後、英検®対策塾「英検®︎セミナー」へ入社。
人気講師として500人を英検®合格へ導いた後、2005年に英検®︎アカデミーを設立。 設立18年、累計10,000人超の英検®合格をサポート。合格率は93%をほこる。
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