「英検®4級に合格する勉強法が知りたい」
「どうすれば効率的に英検®4級の勉強ができる?」
子どもに英検®4級を受けさせるのはいいものの、どうすれば合格できるのか、最適な勉強法がわからず、子どもにどう教えればいいか悩んでいる方も多いでしょう。
そこで今回は英検®対策に特化した専門塾の現役塾講師が、最短1ヶ月で英検®4級に合格する勉強法を大公開します!
実際の1ヶ月間のスケジュールは、以下のとおりです。

このスケジュールに沿って勉強を行うことで、効率的に最短で英検®4級に合格できます。
将来的に準2級や2級の獲得を目指すためにも、ぜひ読み進めてくださいね。
1.英検®4級を1ヶ月で合格するスケジュール

まずは改めて1ヶ月で合格するためのスケジュールを確認しましょう。
英検®4級は次の4種類にわけられます。
・単語 ・熟語 ・英文法 ・長文読解 ・リスニング |
これは英検®の試験内容を大まかに分類したもので、それぞれに対策を行う必要があります。
はじめは基礎を固めるために単語と英文法を同時にはじめ、3週目にはリスニング、4週目から長文読解の過去問学習を行っていきましょう。
詳しい勉強方法については、「2.現役塾講師が教える英検®4級のおすすめ勉強法まとめ」でも紹介しているためそちらも参考にしてください。
1-1.英検®4級で一番優先すべきは「単語・熟語の暗記」
スケジュールで一番優先すべきなのは、単語と熟語の暗記です。
単語・熟語の暗記がすべての土台となるからです。意味を理解できなければ、同時に始める英文法やリスニング、長文読解などは何も理解できません。
また英検®4級は約1,200単語が対象ですが、この単語数は英検®3級で約2,500単語、準2級で3,600単語と急激に増加します。
そのため、現段階で暗記がしっかりしていなければ、今後上の級取得を目指す際の大きなつまずきになる可能性もあります。
これを防ぐためにも、単語の暗記は特に集中的に行いましょう。
1-2.単語・熟語の暗記だけは毎日行おう
単語・熟語はスケジュールのように毎日50単語ずつ覚え、毎週日曜日に復習を行い、記憶を定着させます。
これは「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれる有名な理論にもとづいた方法です。

人は24時間後には、学んだことの70%以上を忘れてしまいます。
しかしグラフのように、定期的に復習を行って学習を繰り返すことで、徐々に記憶が定着し学習したことを忘れないようになります。
そのため週に1度は暗記した内容を復習し、より効率的に単語・熟語を記憶させましょう。
2.現役塾講師が教える英検®4級のおすすめ勉強法一覧

ここからは、4つの分野での勉強法について詳しく紹介していきます。
・単語・熟語
・英文法
・長文読解
・リスニング
それぞれに勉強のポイントややり方があるため、参考にしてください。
※英検®4級にはスピーキングのテストも存在します。しかし、任意で受けるものであり、合否には一切関係のないものであるため、今回は紹介しません。
2-1.単語・熟語の勉強法
単語や熟語はスケジュールでも紹介したように、約1,200単語を目標として暗記を行っていきます。
難易度は中学1~2年生の教科書レベルで、日常生活に関するモノやコトについて出題されます。
暗記を行う際には、「見て・書いて・声に出す」の順番で行うのがおすすめです。
理由としては、次の2つのことが挙げられます。
・ただ目で見て学習するよりも頭に入りやすくなる ・リスニングでも役立つ |
受験するのが小さなお子様の場合、あまりアルファベットに慣れていないケースも多いため、書くことや声に出すことでより覚えやすくなるでしょう。
また、単語の発音を聞いておけばリスニングの際にも発音と言葉の意味が結びつきやすくなるため、リスニングの内容も理解しやすくなるでしょう。
【POINT!】 発音を聞く方法に関しては、CD音源付きの参考書やアプリを利用するのがおすすめです。 とくにアプリは発音が確認できるのはもちろん、覚えた単語と覚えていない単語を分類し、覚えていない単語だけを集中的に記憶できるため、より効率的な学習が可能です。 おすすめの参考書やアプリについては、「3-1.参考書は基本旺文社のものを購入する」で後ほど紹介するため、ぜひ参考にしてください。 |
2-2.英文法の勉強法
英文法は、記憶力はもちろん理解力や応用力も求められるものです。
まずはしっかりと基礎を固めたうえで、過去問や予想問題などを解き、応用力を磨いていくのが重要です。
英文法に関しては以下のように文法を分類し、時間をかけてしっかり基礎学習を行いましょう。
文法 | 時間 |
過去形・未来形 | 2時間 |
助動詞+不定詞・動名詞 | 2時間(1時間+1時間) |
比較級 | 2時間 |
前置詞 | 2時間 |
それぞれの文法について1日2時間程度使って学習し、1週間の中で合計4日8時間勉強します。
合計8時間勉強できれば問題ないため、たとえば土日にまとめて4時間ずつ勉強するのでも問題ありません。
英検®4級は文法の種類が多いうえ、すべてマークシート式です。
基礎の学習を適当に行うと、あとから予想問題や過去問を解いたときに、勘や当てずっぽうになりやすく、なぜ正解したのか、なぜ不正解なのかも理解できません。
これを防ぐため、たとえば次のように、1つずつ基本の形を理解、記憶してもらいましょう。
未来形(2種類) | ・be動詞+going to+動詞の原形 ・will+動詞の原形 |
比較級 | ・比較級:形容詞・副詞の語尾にer+than、または形容詞・副詞の前にmore ・最上級:the+形容詞・副詞の語尾にest、またはthe+most+形容詞・副詞 |
過去形 | 動詞の語尾にdまたはed ※不規則動詞やbe動詞は特殊な形になる |
実際に問題を解いてマルバツをつける際には、なぜこれが正解・不正解になるのかを、親から説明するか、もしくは解説部分を読んでもらいます。
これにより、より深く文法を理解できるようになり、違う問題を解く際にも応用できるようになります。
2-3.長文読解の勉強法
長文読解では、日常的な話題に関して「A・B・C」の3つの文章が掲載されており、この文章に関する問題が出題されます。
各文章の特徴は次のとおりです。
文章のタイプ | 文章の長さ | 設問の数 | 文章の特徴 | |
A | 掲示・案内 | 約60単語 | 2 | イベントの開催に関する案内文 |
B | Eメール(手紙) | 約150単語 | 3 | 友達や親戚との文章のやり取り |
C | 説明文 | 約170単語 | 5 | 架空の人物が体験したできごとについての説明 |
長文読解を勉強するには、主に2つのポイントを押さえる必要があります。
2-3-1.先に問題文を確認する
長文読解に関しては、まず先に問題文を確認するのがおすすめです。
先に出題文を読むと、すべて丁寧に読んだ上で問題文を読み、再び該当部分を探さなければならないため、効率が悪くなるからです。
しかし先に問題文を確認できれば、ある程度読み流していい部分や集中的に読むべき部分を判断できるようになるため、効率的に文章を読めるでしょう。
たとえば問題文で「What will Ken’s father planning to do tomorrow?(ケンの父親は明日何をする予定ですか?)」と出題されていれば、father(父親)について書かれている部分に注目すればよいとわかります。
2-3-2.全体を把握した上で読み進める
実際に長文を読む際には、全体像を把握してから読み進めるのがおすすめです。
全体像を事前に理解することで、よりスムーズに文章を理解しやすくなるからです。
全体像を掴むには、まず文章のタイプにかかわらず5W1Hを探しましょう。
・Who:誰が ・Where:どこで ・Why:なぜ ・When:いつ ・What:何が ・How(much):どのように(いくら) |
※文章によっては「なぜ」や「いくら」といった情報がないケースもあります。無理にすべてを埋める必要はありません。
これを行うことで、文章の内容が正確に把握できるようになります。
例えば、「Eメール・手紙」に関しては、登場人物が2人登場するため、誰が誰に対して送っているかをしっかりチェックしましょう。
2-4.リスニングの勉強法
リスニングに関しては、日常生活にあるモノやコトに関する内容を理解しているかが問われます。
リスニングは第1部から第3部までわかれており、それぞれ次のような特徴があります。
第1部 | 男女2人(友人や親子、店員と客など)の会話を聞き、最後の発言に対する応答として正しい内容を選択する |
第2部 | 男女2人(友人や親子、店員と客など)の会話を聞き、内容と一致するものを選択する |
第3部 | 学校や家庭などの日常的なできごとに関するナレーションを聞き、内容と一致するものを選択する |
第1部に関しては最後の発言が問題を解くための重要なポイントになるため、よく聞きましょう。
勉強のポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
・とにかく英語に慣れる
・2回の音声で役割を分担する
・問題の先読み ※(2-3-1.先に問題文を確認する)と同じ
・メモを取る
問題の先読みに関しては、長文読解で説明したものとほぼ同じで、「読む」が「聞く」に変わるだけですので、今回は省略します。
2-4-1.とにかく英語に慣れる
英検®4級はまず、とにかく英語に慣れるのが最も重要です。
まだ英語に慣れていないお子様も多いため、実際にCD音源やアプリを使って音声を聞き、独特のリズムやイントネーションを理解しましょう。
同じ教材の音声を何度も繰り返し聞いて、好きなシーンや曲を覚えるように頭に記憶してもらいます。
また、聞こえてきた単語や文をそのまま復唱するのもおすすめです。
リズムやイントネーションを理解しやすいのはもちろん、英語で何を言っているかも理解しやすくなるため、内容が頭に入ります。
英語で何を言っているかが理解できるようになれば、今後上の級取得を目指す際にも役立つでしょう。
2-4-2.2回の音声で役割を分担する
リスニングのすべての問題では音声が2回流されるため、これをうまく活用し役割分担するのがおすすめです。
とくに小さなお子様は、1度ですべての英語を聞いて理解し、これを記憶して回答を探すのは簡単ではありません。
そのためそれぞれの回で、以下のように分けて聞きましょう。
1回目は回答の内容をあまり気にせず、全体の流れを聞いてどういったシーンでどういった内容なのかを確認します。
2回目は、1回目で把握した内容をもとに、質問に対する回答を探すのに集中します。
英語の音声に慣れていないお子様でも問題が解きやすくなるでしょう。
2-4-3.メモを取る
リスニングは聞きながらメモを取るのもおすすめです。
音声を聞きながら重要な部分に関してメモを取ることで、あとから問題を解く際スムーズに回答できます。
ただしすべての内容をメモしていると、英文の聞き取りが十分にできなくなります。
基本的には、事前に確認した問題文をもとにした重要な単語や数字といった、特徴的な部分だけで問題ありません。
また、リスニングは3級や準2級など、今後上の級を受験する際に、どんどん音声が長くなるため、今のうちにメモを取る訓練をしてくと、後々役立つでしょう。
3.英検®4級に合格するための勉強ポイント

次に、英検®4級の勉強をする際のポイントについて紹介します。
主なポイントは次のとおりです。
・参考書は基本旺文社のものを購入する
・なるべく過去問や問題集をとく
・英語が嫌いにならないよう配慮する
ではそれぞれ詳しく紹介します。
3-1.参考書は基本旺文社のものを購入する
勉強に使う参考書やアプリは、基本的には旺文社のものがおすすめです。
旺文社の参考書やアプリは、ほかの出版社の参考書と比較しても出題内容や範囲が正しいため、合格につながる勉強がしっかり行えます。
具体的におすすめの参考書は次のとおりです。
分野 | 書籍名(アプリ名) | 特徴 |
単語・熟語 | 英検®4級 でる順パス単[5訂版] | ・単語を学習するのに最も適した参考書 ・過去5年分の問題からよく出題される単語順に学習できるリスト集 |
英検®4級 絵で覚える単熟語[4訂版] | ・イラストや例文で視覚的に単語や熟語が学習できる ・より小さなお子様向けの参考書 | |
英語の友(iOS版)英語の友(Android版) | ・「でる順パス単」の音声が無料でダウンロードできる ・覚えている・いないで単語の仕分けができる | |
英文法 | 英検®4級 総合対策教本[改訂版] | ・フルカラーで楽しみながら理解できる ・基礎を理解してから問題を解く形式で頭に入りやすい |
小学生のためのよくわかる英検®4級合格ドリル 4訂版 | ・説明がより簡単でイラストも多い小学生向けの参考書 ・クイズなど楽しみながら学べる工夫がされている | |
【CD付】英検®4級をひとつひとつわかりやすく。 | ・合格に必要なポイントが丁寧にまとめられている ・リスニングや模擬試験にも対応 | |
長文読解 | 英検®4級 総合対策教本[改訂版] | ・問題の形式や構成から解説されておりわかりやすい ・「いつ・どこで・だれが」といった情報が色分けされおり、内容を整理しやすい |
リスニング | DAILY2週間 英検®4級 集中ゼミ[5訂版] | ・10~13日目のリスニング編が学習しやすい ・音声は「英語の友」から聞ける |
英検®4級 でる順パス単[5訂版] | ・単語だけでなく、よく使われる会話の表現が100個収録されており、「英語の友」から聞ける |
「【CD付】英検®4級をひとつひとつわかりやすく。」は、旺文社ではありませんが、内容がわかりやすく、英文法を中心に基礎の部分を固めるのに適しています。
3-2.なるべく過去問や問題集をとく
英検®4級では、ある程度基礎が固まってきた段階で、なるべく過去問や予想問題を解いていくのがおすすめです。
過去問や予想問題を解くことで、より実際の試験の形式に慣れやすくなります。
出題の形式はもちろん、実際に時間を測って問題を解いていくことで、全体の時間配分や解くスピードなどの最適解を見つけられるようになるでしょう。緊張しがちな本番でも慌てずに試験に臨めます。
また採点を行うことで、苦手な分野も数値として可視化されるため、より集中的に行うべき場所がわかり、効率的な学習につながります。
過去問を解きたい場合は、旺文社から出版されている「2025年度版 英検®4級 過去6回全問題集」を利用するのがおすすめです。
また、英検®の公式サイトでも過去3回分の問題集とリスニング音源がダウンロードされるため、こちらを利用してもいいでしょう。
3-3.英語が嫌いにならないよう配慮する
とくに小さなお子様であれば、学習を進めるなかで英語が嫌いにならいよう配慮するのも重要です。
過去問を解くのは大事、とは言ってもそればかり行うのは子どもにとって辛い作業です。
つまらないと感じる学習を続けると英語が得意になるどころか、嫌いになる可能性もあります。
たとえば、次のような工夫を行うのがおすすめです。
・飽きている、疲れてきたと感じたら休憩を多めに入れる ・子供向けの英語の本(絵本)を読む ・英語のアニメーションを見せる |
子どもにとってもストレスが少なく、楽しみながら学べたほうが吸収も早くなるため、うまく工夫を行いましょう。
4.将来上の級取得を目指すなら今の時点で基礎をしっかり身につけよう

もし今後、3級や準2級、2級の取得を目指していくのであれば、今のうちから基礎をしっかり身につけましょう。
前述したように英検®4級はすべてマーク式であり、単純に英検®4級の取得をするだけであれば、英文法などを多少おざなりにやっても合格自体は可能です。
しかし1~3級はライティングの試験も入ってくるため、今後上の級を目指す場合、英文法の理解は必ず必要になります。
一方で、子どもは中学2年生頃から反抗期に入るため、素直に勉強をしてくれなくなります。
現役塾講師の経験から言えば、勉強自体をかっこ悪く感じやすく、単語の暗記やリスニングに必要な音読も行ってくれなくなるのです。
そのため今後上の級取得を目指すのであれば、今のうちに文法の学習や、より吸収が早くなる音読をしっかり行うことで基礎を固めるのが重要です。
素直に勉強してくれる今が基礎を固めるチャンスであり、今後上の級取得をしやすくするための重要な時期であることを理解し、しっかり勉強してもらいましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
英検®4級に合格するための勉強法や勉強のポイントについて、おわかりいただけたかと思います。
では最後に記事の要点をまとめましょう。
英検®4級は、正しいスケジュールと勉強のコツを理解できれば、最短1ヶ月で英検®4級に合格可能です。
各分野の勉強のコツは次のとおりです。
・単語・熟語は五感を刺激して覚えやすくし、定期的に復習する
・英文法は基礎をしっかりと理解したうえでたくさん問題を解く
・長文読解は、先に問題文を読み構造を理解したうえで本文を読む
・リスニングは、音読で英語に慣れつつ2回の音声で役割を分担し、メモを取る
また英検®4級の勉強のポイントは次のとおりです。
・参考書は基本旺文社のものを購入する
・なるべく過去問や問題集をとく
・英語が嫌いにならないよう配慮する
この記事が、英検®4級合格や、その上の級取得につながる一助となることを願っております。
よくある質問


記事監修者
桐山 ヒロキ
経歴
青山学院大学経済学部を卒業後、英検®対策塾「英検®︎セミナー」へ入社。
人気講師として500人を英検®合格へ導いた後、2005年に英検®︎アカデミーを設立。 設立18年、累計10,000人超の英検®合格をサポート。合格率は93%をほこる。
新着情報





