「うちの子、英語が本当に苦手で……勉強するのも嫌がるんです」
「どうして英語の点数が悪いのか、理由がわからなくて困っています」
このような悩みを抱えている保護者の方に安心してほしいのは、“英語が苦手意識を持つ中学生は非常に多く、むしろそれが普通” という事実です。
大切なのは、苦手意識をそのままにせず、いかに得意科目へと転換していくかという対策です。この対策スタートが早いほど、大学受験までに英語を武器にできるようになります。

本記事では、中学生が英語を苦手になる根本的な原因を4つの「壁」として分析し、家庭でできる具体的な克服法から保護者の関わり方まで詳しく解説します。
【この記事を読むと得られるメリット】 ・お子様の英語嫌いの本当の原因がわかり、適切な対策を立てられる ・家庭でも実践できる効果的な学習法を身につけて、親子で取り組める ・専門家の力を借りるべきタイミングと選び方がわかり、最適な判断ができる |
お子様の英語に対する苦手意識を解消し、自信を持って学習に取り組めるようになるための実践的な知識を、ぜひご活用ください。
記事監修者
桐山 ヒロキ
経歴
青山学院大学経済学部を卒業後、英検®対策塾「英検®︎セミナー」へ入社。
人気講師として500人を英検®合格へ導いた後、2005年に英検®︎アカデミーを設立。 設立18年、累計10,000人超の英検®合格をサポート。合格率は93%をほこる。
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1. 「英語が苦手と感じるのも当然」とまずは受け入れよう

冒頭でも触れましたが、中学生が英語に苦手意識を持つのは当然という側面があります。まずは現状を正しく把握しましょう。
1. 「約6割の生徒が授業を理解していない」という事実 2. 多くの生徒は中1の始めはやる気だったのに後半で苦手になる 3. つまずきの理由を把握せずに「できない」と責めるのは最も良くない |
1-1. 「約6割の生徒が授業を理解していない」という事実
お子様が英語が苦手だと、「なんで、うちの子は……」と焦ったり怒ったりしたくなるかもしれません。
しかしながら、中学生にとって英語が苦手な状態は、ある意味、普通の状態といえます。
実際、ベネッセ教育総合研究所の調査では、約6割の生徒が「英語の授業内容がよく理解できない」と感じているというデータが示されています。多くの子どもたちが、英語学習で何らかの苦手意識を抱えていることがわかります。
出典:ベネッセ教育総合研究所「中学生の英語学習状況と学習意欲」 調査時期:2009年1〜2月、調査対象:全国の中学2年生2,967名(有効回答数)
1-2. 多くの生徒は中1の始めはやる気だったのに後半で苦手になる
前出の調査で、もうひとつ興味深いポイントは、最もやる気が高かった時期として、「中1の始め頃」(43.6%)が挙げられていることです。
一方、英語を苦手と感じるようになった時期は、「中1の後半」(26.6%)という回答が最も多くなっています。
ここから、「最初は英語に対してやる気があったのに、勉強し始めたら壁にぶつかって、苦手になってしまった」という状況が浮かび上がります。
この苦手意識を感じ始めたタイミングで、できるだけ早く対策することが、再び英語に対するやる気を出すために、非常に重要です。
1-3. つまずきの理由を把握せずに「できない」と責めるのは最も良くない
英語が苦手と感じるようになる過程には、何かしらの “つまずきポイント” があります。
この原因を把握せずに、「どうして英語ができないの?」とお子様を叱責することは、問題の解決にならないどころか、さらに苦手意識を強めてしまう危険性があります。
お子様自身も理由がわからず自信を失っている状態で、理解のない叱責が加わると、英語に対する拒否反応がより強固になってしまうからです。
子どもの英語嫌いを加速させる最大の要因のひとつは、子どもの状況を把握しないまま、保護者の感情的な期待で勉強を強要することです。
お子様が今、何につまずいているのか知るために、以下では、多くの中学生が直面する「英語学習における4つの壁」について見ていきましょう。
2. 英語が苦手になる典型的な「4つの壁」とは?

英語学習において、中学生が直面するつまずきは、おもに4つのカテゴリに分類できます。それは「音の壁」「単語の壁」「文法の壁」「心の壁」です。お子様の状況と照らし合わせながら、どの壁に阻まれているのかを確認してみてください。
1. 【音の壁】単語の「音」と「文字」が一致しない 2. 【単語の壁】単語がなかなか覚えられず暗記がつらい 3. 【文法の壁】日本語と違う文法ルールが理解できない 4. 【心の壁】英語を使うことに心理的な抵抗がある |
2-1. 【音の壁】単語の「音」と「文字」が一致しない
英語学習における最初の大きなハードルは、「文字と音の関係性の複雑さ」です。
日本語のひらがなは、1つの文字に対して1つの音が対応する表音文字ですが、英語のアルファベットは、そのような単純な対応関係にありません。
【具体的なつまずきポイント】 ・読み方の予測が難しい:初めての単語に出会ったとき、つづりから正しい発音を推測できず、音読でつまずいてしまいます。たとえば「knife」を「クニフェ」と読んでしまうような間違いが頻発します。 ・聞き取りが難しい:リスニングで聞いた音から正確なつづりを想像できないため、単語の意味は理解できても、正しく書けない状況が生まれます。「right」と「write」のような同音異義語も、混乱の原因です。 ・発音への不安が大きい:日本語にない音素(r、th、vなど)があるため、正確な発音に対する自信を失い、英語を声に出すことに抵抗を感じるようになります。 |
この音の壁は、小学校の外国語活動で歌やゲームを通じて楽しく英語に触れていた子どもたちが、中学校で本格的な読み書き学習を始めた際に、最初に直面するつまずきです。
英語を文字として認識する段階で、「英語は難しい」という印象を持ってしまうケースが多く見られます。
2-2. 【単語の壁】単語がなかなか覚えられず暗記がつらい
小学校から高校までの英語教育で、現代の子どもたちが覚える英単語数は親世代の約2倍以上にもなっていることをご存知でしょうか。
中学校までに学ぶ英単語は約2500語に達し、近年の学習指導要領改訂により、この数は今後も増加する可能性があります。
【単語暗記でよくあるつまずき】 ・記憶が定着しない:何度書いても翌日には忘れてしまい、「自分は英語の才能がない」という誤った自己認識を形成してしまいます。たとえば「beautiful」を100回書いても、1週間後にはスペルを思い出せない状況です。 ・意味を混同してしまう:日本語と英語の単語の概念が違うので、適切な使い分けができません。たとえば「見る」という日本語に対して「see」「look」「watch」などの使い分けが理解できず、混乱します。 ・文脈で理解するのが難しい:単語を個別に丸暗記しようとしているため、実際の文章で出会ったときに、適切な意味で解釈できません。 |
この単語の壁でつまずいていると、英語の文章全体が理解できず、「英語=わからない=嫌い」という連鎖反応を引き起こしてしまいます。
新しい単語が次々と現れるなか、「追いつけない」と感じると、英語学習そのものに対する意欲を失ってしまうのです。
参考:神戸新聞NEXT「なめたら痛い目に遭う!必修化された小学校の英語 覚える単語は700 6年の教科書には過去形も」
2-3. 【文法の壁】日本語と違う文法ルールが理解できない
前出のベネッセ教育総合研究所の調査によると、中学生が英語学習で最もつまずきやすいポイントは「文法が難しい」ことであり、約8割の生徒がこのつまずきを感じています。
日本語と英語では文法構造が根本的に異なるため、語順のルールから習得しなければなりません。
【文法でよくあるつまずき】 ・語順に混乱している:日本語の語順で英語を理解しようとすると、文章の意味を把握するのに時間がかかります。 ・時制や三単現が理解できない:日本語にない厳密な時制変化(過去形、現在完了形など)や三単現などの概念が理解できません。 ・冠詞の使い方がわからない:日本語にない「a」「the」の概念が理解できず、適切な使い分けができません。 |
文法の壁は、中学1年生で基礎的な概念につまずくと、その後の学習内容(助動詞、関係代名詞など)が雪だるま式に理解できなくなる特徴があります。
「文法がわからない→英文が読めない・作れない→テストの点数が上がらない→英語が嫌い」というループに陥ってしまいます。
2-4. 【心の壁】英語を使うことに心理的な抵抗がある
英語力の問題以上に深刻なのが、心理的な障壁です。
「間違えるのが怖い」「英語の発音をからかわれるのが嫌」「英語を話すのが恥ずかしい」といった感情から、英語が苦手になってしまう子が少なくありません。
【心理的障壁の具体的な例】 ・発言するのが怖い:英語を話す恥ずかしさやクラスメイトからどう思われるかが気になり、授業中に手を挙げて、英語で答えることができません。正解がわかっていても、発言を控えます。 ・間違えるのが怖い:間違いを恐れるあまり、完璧な英語でなければ話そうとしません。「文法が正しくない英語を話すくらいなら黙っていたい」という心理状態です。 ・自己肯定感が低い:ほかの生徒と比較して、「自分は英語ができない」という劣等感を持ち、学習意欲そのものを失ってしまいます。「どうせ自分には無理」という諦めの気持ちで、心が支配されています。 |
しかし、英語は実際に使用してこそ上達する言語です。間違いを恐れて「聞いているだけ」「黙っているだけ」の状態では、いつまでたっても話せるようにならず、自信もつかないという悪循環です。
3. 家庭でできる英語嫌いを克服する学習法のポイント

ここまでお読みいただき、お子様の英語嫌いの原因が把握できたら、家庭での学習アプローチを工夫してみましょう。ここでは4つの方法をご紹介します。
1. フォニックスで音と文字のルールを学ぶ 2. 英単語はイラストや語源などと関連付けて覚える 3. 英文法はまず基本ルールを徹底する 4. 家庭での安全な練習環境を作る |
3-1. フォニックスで音と文字のルールを学ぶ
「音の壁」を克服する効果的な方法として、フォニックスが挙げられます。
フォニックスとは、アルファベットの文字と音の規則性を体系的に学ぶ学習法です。英語圏の子どもたちは幼稚園や小学校で習得します。
【フォニックス学習の効果】 ・音をパーツ分解して理解できる:「dog」という単語を「d(ドゥ)」「o(オ)」「g(グ)」という音素に分解して理解し、類似パターンの「log」「fog」なども容易に読めるようになります。 ・発音を予測する力がつく:「cat」「bat」「hat」などの単語群で共通の音パターンを認識し、正確に発音できるようになります。 ・リスニング力が向上する:リスニングで、1音1音をアルファベットに対応づけて理解できるので、聞いた音を頭の中で文字へ変換するのがスムーズになります。 |
無料で視聴できるYouTube動画でも、フォニックスの教材が多数アップロードされています。いくつか実際に試してみてください。
3-2. 英単語はイラストや語源などと関連付けて覚える
「単語の壁」を乗り越える第一歩は、機械的な丸暗記をやめることです。人間の脳が持つ視覚的イメージや、意味的な関連性を活用した記憶術を使えるようになりましょう。

【効果的な単語の記憶法】 ・視覚的なイメージで覚える:「light」「heavy」という単語カードに軽いイメージ、重いイメージのイラストを描き添え、日本語を介さずに「そのイラスト=light、heavy」という直接的な関連づけで覚えます。絵や写真と単語を結びつけると、忘れない記憶として定着しやすくなります。 ・語源で覚える:「transport(輸送する)」「portable(持ち運び可能な)」「import(輸入する)」はすべて「port(運ぶ)」という共通の語根を持ちます。このように関連性を意識すると、多くの芋づる式に覚えられます。 ・文脈で覚える:「dangerous」を単独で覚えるのではなく、「This road is dangerous at night.」のような文章の中で覚えます。実用的な使い方も同時に習得できるので、テストでも使える形で記憶に残ります。 |
ほかには、語呂合わせやリズムを活用した記憶法も効果的です。
単調な書き取り練習だけに頼らずに、絵・語源・文脈・語呂合わせなど、多様な手がかりを駆使して単語に「意味づけ」を行いましょう。
3-3. 英文法はまず基本ルールを徹底する
「文法の壁」を克服するには、複雑な文法事項を一度に理解しようとしないことが大切です。
基本的な概念から、順を追って段階的に習得することを、かならず守ってください。
とくに「主語+動詞」という英語の基本語順が完全に身につけば、より複雑な文法事項も理解しやすくなります。
【すぐ試せる簡単な文法練習法】 ・2語文から始める練習:「I go.」「You come.」「He runs.」など、主語+動詞だけのシンプルな文を毎日5つ作って音読します。慣れてきたら「I go home.」のように1語ずつ増やしていき、英語の語順感覚を少しずつ身につけます。 ・主語入れ替えゲーム:「I like apples.」という文の主語だけを「You」「He」「She」に変えて、動詞がどう変化するかを確認します。「You like apples.」「He likes apples.」「She likes apples.」と声に出して、三人称単数の「s」のパターンを覚えます。 ・語順並び替え問題:「yesterday / went / I / school / to」のようにバラバラにした単語を正しい語順「I went to school yesterday.」に並び替える練習をします。最初は3語から始めて徐々に語数を増やし、英語の語順ルールを体で覚えます。 |
学校の授業では、次々と新しい文法の授業が進み、基礎が不安定なまま先に進んでしまうケースが少なくありません。
家庭学習で、お子様のペースに合わせて基礎をしっかりと固めていくと、学校の授業に追いつけるようになります。
3-4. 家庭での安全な練習環境を作る
「心の壁」を克服するには、「間違えたら恥ずかしい」という不安を和らげ、英語を使うことへの抵抗感を取り除くことが必要です。
完璧を求めず、安全な環境で成長体験を積み重ねることが重要になります。
【心の壁を取り除く家庭でのアプローチ】 ・家族限定の練習タイム:まず家族だけの安全な環境で英語を声に出す練習から始めます。「Good morning」などの簡単なあいさつを家族間で使い、英語を話すことに慣れていきます。家族なら間違えても笑われる心配がないため、心理的なハードルが下がります。 ・間違いを学習チャンスに変える:「今日はどんな発見があったかな?」「この間違いから何を学べるかな?」という声かけで、失敗をポジティブに捉える習慣をつけます。間違いは恥ずかしいものではなく、“上達のための貴重なステップ” だと認識できるようサポートしましょう。 ・成長をしっかり捉えて自信に変える:「今日は新しい単語を1つ覚えた」「英語であいさつができた」など、どんなに小さなことでも、成長したことを具体的に伝えて自信をつけさせます。「英語もできるかも」という前向きな気持ちが徐々に育っていきます。 |
心の壁をすぐに取り除くのは難しいことですが、家庭でのサポートを継続していくと、お子様の英語への取り組み方は確実に変化していきます。間違いを恐れずに英語を使おうとする意欲が育てば、学校での授業参加も積極的になります。
4. 根本的に解決するなら「専門家に頼る」ことが重要

一方、家庭での取り組みにも限界があります。
とくに「学習習慣そのものが身についていない」「親子間での指導が感情的になってしまう」といった場合には、英語教育の専門家の力を借りることを真剣に検討してください。
客観的な第三者による指導は、お子様にとって新鮮な刺激となり、劇的な改善をもたらすケースも少なくありません。
1. 学習習慣から建て直すなら英語専門の個別指導塾がおすすめ 2. 「英語が大の苦手」から偏差値65まで英語力を伸ばした事例 |
4-1. 学習習慣から建て直すなら英語専門の個別指導塾がおすすめ
英語が苦手なお子様の多くは、知識不足だけでなく「効果的な学習方法がわからない」「継続的な学習習慣が確立されていない」という根本的な課題を抱えています。
英語に特化した個別指導塾では、一人ひとりの学習状況を詳細に分析し、個別最適化されたカリキュラムを提供してくれます。
【専門塾における指導の特徴】 ・進捗管理とモチベーション維持:理解度チェックや単語テストにより、学習の定着状況を客観的に把握し、家庭では続かなかった学習習慣も確実に身につけられます。プロの講師による的確な指導と励ましによって「できる」という実感を得られるので、小さな成功を積み重ねて英語への自信を取り戻せます。 ・個別最適化カリキュラム:文法理解が不十分なら中学1年生レベルまで戻って基礎を固め、語彙力不足なら頻出単語の習得に重点を置くなど、きめ細かな対応が可能です。英検アカデミーのような専門塾では、英語が苦手な生徒を対象とした独自の補強カリキュラムを設定し、お子様の理解度に完全に合わせた指導を行います。 ・明確な目標設定:英検合格や定期テスト点数向上など具体的で達成可能な目標を設定し、そこに向けた戦略的な学習計画を立てます。漠然とした「英語ができるようになりたい」から明確な目標へ変換することで、学習に対するモチベーションが高まり、努力を続けられるようになります。 |
英語が苦手なお子様にとって、「理解できる喜び」を専門家と体験するのは、何物にも代えがたい価値があります。
専門家のサポートを検討する際は、ぜひ英検アカデミーにご相談ください。
英検アカデミーは、アルバイトの大学生講師などではなく、英語専門のプロのベテラン講師が責任を持って指導します。安心してお子様をお任せいただける塾です。

※中学生向けのコースについては「私立・国立中学生コース」をご覧ください。
4-2. 「英語が大の苦手」から偏差値65まで英語力を伸ばした事例
専門塾での指導では、英語が大の苦手だった生徒が劇的な成績向上を遂げた実例が数多くあります。
たとえば英検アカデミーでは、中学生のときに「英語が大の苦手」だった生徒が、講師の1対1指導により基礎から体系的に学び直し、高校では偏差値65を安定して取れるようになった事例があります。
以下は、生徒さんからのお礼のメッセージです。

出典:英検アカデミーの評判良いです。英検アカデミー卒業生からのレビューです。
重要なのは、「英語ができないから諦める」ではなく、「英語ができないなら、できるようになる環境で学ぶ」という発想の転換です。
お子様の英語嫌いを根本から解決するためには、専門家の力を積極的に活用することをおすすめします。
5. 英語への抵抗感をなくすために大切な親の関わり方

一方、学習方法の改善や専門家の活用と同じか、それ以上に重要なのが、保護者の関わり方です。
英語に対する抵抗感を和らげ、自信を育てるために、具体的なアプローチを3つの観点から解説します。
1. 「できたこと」を具体的に褒め小さな成功体験を積んでいく 2. 英語を勉強としてではなくコミュニケーションの道具として使う 3. 親も一緒に学ぶ姿勢を見せ「一人じゃない」安心感を与える |
5-1. 「できたこと」を具体的に褒め小さな成功体験を積んでいく
子どもの自己肯定感を高め、苦手意識を払拭するには、「小さな成功体験の積み重ね」が非常に重要です。
保護者の方が、ささいな進歩をしっかりと認識し、具体的に褒めることを心がけてください。
なぜなら、子どもは具体的で真摯な称賛を受けると、自然と内発的な学習動機が湧いてくるからです。
ポイントは、誰かとの比較ではなく、お子様自身の過去との比較を重視することです。
「単語テストが前回より15点上がったね。この2週間の努力が結果に表れているよ」
「毎日10分でも英語に触れ続けているのが素晴らしい」
など、具体的に改善したポイントや、努力を続けていることをしっかり評価しましょう。
テストの点数が思わしくなかった場合も叱責せず、「前回と比べて改善された部分はどこだろう?」という前向きな視点で話し合うことが大切です。
5-2. 英語を勉強としてではなくコミュニケーションの道具として使う
英語嫌いを克服するには「英語=テストのための勉強」という固定観念を打破し、英語本来の機能である「コミュニケーションツール」としての側面を体験させることも役立ちます。
言語は本来、人と人をつなぐコミュニケーションの手段であり、試験のためだけに存在するものではありません。英語を「使うもの」として体験できると、学習に対する根本的な動機が変化します。
家庭内で英語を使ってコミュニケーションしてみるほか、海外旅行を経験させたり、英語話者の友人を自宅に招くことや、英会話カフェに親子で行ってみることもおすすめです。
重要なのは英語を「勉強するもの」から「使うもの」へと、認識を転換させることです。コミュニケーションツールとしての英語の楽しさを知ると、自ら英語を学びたいという気持ちが育ちます。
5-3. 親も一緒に学ぶ姿勢を見せ「一人じゃない」安心感を与える
子どもにとって、「親に支えられている」という実感は、大きな心の支えとなります。英語が苦手なお子様にはとくに、「一緒に頑張ろう」という共感的なスタンスで関わると効果的です。
「家族が味方として寄り添ってくれている」という安心感があれば、心理的な負担が大幅に軽減されるものです。一人で困難に向き合うのではなく、「家族全体で英語学習に取り組む」という雰囲気を作ってあげてください。
たとえば、お子様が英単語を覚えているときに保護者の方も隣で一緒に暗記に挑戦し、「お母さんも学生時代は苦手だったから、一緒にやり直してみようか」という声かけで、お子様の心理的ハードルを下げてみましょう。
「今日はどんな英語を勉強したの」「新しく覚えた単語を教えて」といった会話を通じて、学習を家族全体の関心事として位置付けることも大切です。
6. まとめ
本記事では「英語が苦手な子の克服法」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
まずは、「英語が苦手と感じるのも当然」と受け入れることの大切さについてお伝えしました。
1. 「約6割の生徒が授業を理解していない」という事実 2. 多くの生徒は中1の始めはやる気だったのに後半で苦手になる 3. つまずきの理由を把握せずに「できない」と責めるのは最も良くない |
英語が苦手になる典型的な「4つの壁」は以下のとおりです。
1. 【音の壁】単語の「音」と「文字」が一致しない 2. 【単語の壁】単語がなかなか覚えられず暗記がつらい 3. 【文法の壁】日本語と違う文法ルールが理解できない 4. 【心の壁】英語を使うことに心理的な抵抗がある |
家庭でできる英語嫌いを克服する学習法のポイントを解説しました。
1. フォニックスで音と文字のルールを学ぶ 2. 英単語はイラストや語源などと関連付けて覚える 3. 英文法はまず基本ルールを徹底する 4. 家庭での安全な練習環境を作る |
根本的に解決するなら「専門家に頼る」ことが重要です。
1. 学習習慣から建て直すなら英語専門の個別指導塾がおすすめ 2. 「英語が大の苦手」から偏差値65まで英語力を伸ばした事例 |
英語への抵抗感をなくすために大切な親の関わり方として、以下を解説しました。
1. 「できたこと」を具体的に褒め小さな成功体験を積んでいく 2. 英語を勉強としてではなくコミュニケーションの道具として使う 3. 親も一緒に学ぶ姿勢を見せ「一人じゃない」安心感を与える |
早期に適切な対策をして、英語への苦手意識を解消できるよう、本記事の内容を実践してみてください。英語が得意になれるよう、親子で協力して取り組んでいきましょう。
よくある質問


記事監修者
桐山 ヒロキ
経歴
青山学院大学経済学部を卒業後、英検®対策塾「英検®︎セミナー」へ入社。
人気講師として500人を英検®合格へ導いた後、2005年に英検®︎アカデミーを設立。 設立18年、累計10,000人超の英検®合格をサポート。合格率は93%をほこる。
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